【2026年】派遣社員も退職代行で辞められる?派遣元と派遣先の伝え方

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派遣先の人間関係がきつい。契約はまだ残っているのに、もう行きたくない。派遣会社の担当者にも言い出しにくい。派遣社員からは、そんな相談がよくあります。

派遣社員でも退職代行は使えます。ただ、辞めると伝える相手は派遣先ではなく、雇い主である派遣会社(派遣元)です。ここを取り違えると、現場にだけ話が回って派遣元には届かない、という遠回りになります。

派遣社員も 退職代行で辞められる?

先に結論だけ
  • 派遣社員の雇い主は派遣元。退職の意思を伝える相手も派遣元
  • 契約期間の定めがない(無期雇用)派遣なら、申し入れから2週間で終了する(民法627条)
  • 有期契約の途中は、原則としてやむを得ない事由が要る(民法628条)。更新のタイミングなら、更新しないと伝えれば期間満了で終わる
  • 派遣先は雇い主ではない。現場の上司や同僚に「辞めます」と許可をもらう必要はない

派遣社員を雇っているのは派遣元

派遣は、派遣会社に雇われたまま、別の会社の指揮命令を受けて働く形です。労働者派遣法の2条は、労働者派遣を、自己の雇用する労働者をその雇用関係の下で他人の指揮命令を受けて働かせることと定めています。

雇用契約を結んでいるのは派遣元です。社会保険に入れるのも派遣元の義務で、東京労働局のQ&Aには、年次有給休暇の申請先も派遣元事業主だと書かれています。派遣先とのあいだにあるのは、派遣元が結ぶ労働者派遣契約です。

つまり民法627条で「辞めます」と申し入れる相手は、雇用契約の相手である派遣元になります。同じ東京労働局のQ&Aでは、派遣契約と労働契約は別の契約だとされていて、派遣先との契約が途中で終わっても派遣元との雇用は続くとあります。逆に言えば、現場を離れたい気持ちだけでは、派遣元との雇用は終わりません。

派遣元・派遣先・現場・ハローワークに何を伝えるか

派遣の退職は、連絡する相手が多くて混乱しやすいところです。相手ごとに、伝えることと、伝えなくていいことを分けました。

相手 立場 伝えること 伝えなくていいこと・注意
派遣元(派遣会社の担当者) 雇い主。給料・社会保険・有給の窓口 辞める意思と退職日の希望、有給の使い方、貸与品の返し方と書類の送り先 理由を細かく説明する義務はない。無期雇用なら、引き止められても同意は要らない(民法627条)
派遣先の会社(受け入れ窓口) 受け入れ先。雇い主ではない 退職の意思は伝えなくてよい。ハラスメントなどに困っているなら「苦情」として申し出られる 苦情を受けた派遣先は、その内容を派遣元に通知する決まり(派遣法40条)。派遣元に伝わる前提で話す
派遣先の現場(指揮命令者・同僚) 日々の指示を出す人。退職の可否は決められない 最終日や引き継ぎは、派遣元と相談して決めたものを伝える 「辞めていいですか」と許可を求める必要はない。現場で勝手に退職日を決めない
ハローワーク 辞めたあとの失業給付の窓口 離職票(-1、-2)を持って、住居地を管轄するハローワークで求職の申込みをする 離職票が届かないときは、派遣元に催促し、それでも出ないならハローワークに問い合わせる

就業条件明示書には、就業中の指揮命令者と苦情の申出先が書かれています。この書面は、派遣元が派遣の前に明示する決まりのものです。手元にあれば、誰が現場の指示役で誰が窓口なのかが分かります。

退職代行を使う場合は、次の情報を渡しておくと話が早く進みます。

  • 派遣元の会社名・支店名・担当者名と連絡先
  • 雇用契約書か就業条件明示書にある契約期間と、次の更新日
  • 残っている有給の日数(分からなければ「分からない」でよい)
  • 派遣先から借りている物(入館証・PC・制服など)の一覧

契約期間中か更新時かで辞め方が変わる

派遣の辞め方は、雇用契約の期間の定めがあるかどうかと、今がどのタイミングかで決まります。まず雇用契約書の「契約期間」の欄を見てください。派遣先との契約期間ではなく、派遣元と結んだ契約の期間です。

今の状況 辞め方 根拠
期間の定めがない(無期雇用派遣) 申し入れから2週間で終了。派遣元の同意は要らない 民法627条
有期契約で、期間の途中 原則は期間満了まで。やむを得ない事由があれば直ちに解除できる。派遣元が応じるなら合意で終えることもできる 民法628条
有期契約で、更新のタイミング 更新しない意思を伝えれば、期間満了日で終わる。理由は問われない 民法628条の考え方
期間満了後もそのまま働いていて、異議が出ていない 同じ条件で更新されたと推定され、以後は2週間前の申し入れで辞められる 民法629条
1年を超える契約で、契約の初日から1年たった 申し出ればいつでも退職できる(高度な専門職や60歳以上は対象外) 労働基準法137条
契約書に書かれた条件と、実際の条件が違う 即時に契約を解除できる 労働基準法15条2項

2週間のルールの中身は、民法627条です。雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過すると終了します。その2週間を有給や欠勤でどう埋めるかは「退職代行で即日退職はできる?」に書きました。

いちばん辞めやすいのは更新のタイミング

有期契約の派遣社員が角を立てずに辞めたいなら、次の更新の前が狙い目です。期間が満了すれば契約は終わるので、更新しないと伝えれば、やむを得ない事由を説明する必要がありません。

同じ派遣先の同じ組織単位で、3年を超えて派遣就業を続けることはできない決まりもあります(無期雇用の人と60歳以上は除きます)。3年の期限が近い人は、そもそも次の更新がないこともあります。契約書の更新条項と、派遣元から来ている更新の案内を見ておいてください。

失業保険の扱いには注意が要ります。ハローワークの基準では、契約が満了して更新がなかった場合でも、更新を希望したのに合意できなかったときだけが特定理由離職者にあたります。自分から更新しないと決めた場合は、この基準には当てはまりません。くわしくは「退職代行を使っても失業保険はもらえる?」にまとめています。

退職代行に相談している様子

契約期間の途中で辞めたいとき

有期契約の期間の途中で辞めたいときは、少し慎重に考えます。大阪労働局のQ&Aには、期間の定めがある場合は原則として契約期間中は辞められないと書かれています。例外は民法628条のやむを得ない事由で、これがあれば直ちに解除できます。

ただし、その事由が当事者の一方の過失で生じたものなら、相手に損害賠償の責任を負います。同じQ&Aでも、契約期間の途中で打ち切ったことで派遣元が被った損害について、賠償を請求されることもあり得るとしています。

どんな事情がやむを得ない事由にあたるかは、個別に判断されます。体調を崩して働けない、ハラスメントを受けているといった事情が議論になります。自分のケースがあたるかどうかは、断定せずに窓口や専門家に確認するのが安全です。

実際に損害賠償まで進むのか、「辞めたら罰金」と言われたらどうなるのかは、「退職代行を使ったら損害賠償や懲戒解雇になる?」で詳しく書いています。

契約書の条件と実際が違うときは別です。労働基準法15条2項は、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者が即時に労働契約を解除できると定めています。派遣元が示した業務内容や就業場所と、実際の仕事が違うなら、この規定が使えるかもしれません。派遣元の契約書と就業条件明示書を並べて見比べてください。

派遣先の現場だけがつらいとき

派遣の場合、辞めたいのが「派遣会社」なのか「今の現場」なのかで、取れる手が変わります。

現場の人間関係や仕事内容が理由なら、辞める前に苦情を出す手があります。就業条件明示書に書かれた苦情の申出先は、派遣元か派遣先のどちらかです。東京労働局のQ&Aでは、派遣元と派遣先はともに、派遣労働者から苦情の申出があったとき適切に処理することが責務だとされています。

派遣先が苦情を受けたときは、内容を派遣元に通知するとともに、派遣元と連携して処理する決まりです。つまり、苦情は最終的に雇い主である派遣元に届きます。

業務内容が就業条件明示書と違うときも、まずその申出先に相談するよう案内されています。現場を変えたいだけなら、派遣元に別の就業先を相談するのも一つの手です。派遣元は雇い主なので、就業先を替えるかどうかを話せる相手です。

苦情を出す余力がもうない、派遣元の担当者が話を聞いてくれない。そんなときに、退職代行の出番になります。

辞めたあとの書類は派遣元から届く

派遣社員の健康保険・厚生年金・雇用保険に入れる義務は、派遣元事業主にあります。なので辞めたあとの書類も、派遣元から届くことになります。

失業保険の手続きに必要な離職票も同じです。ハローワークのページには、離職後に離職票が届くこと、会社から交付されない場合は住居地を管轄するハローワークに問い合わせることが書かれています。退職代行に頼むときは、派遣元に離職票を送ってもらうよう伝えてもらってください。

有給が残っているなら、申請先は派遣元です。派遣先の上司に「有給を使います」と言う必要はありません。有給の考え方は「退職代行で有給消化はできる?」にまとめています。

派遣社員が使える退職代行と料金

当サイトで取り上げているサービスのうち、派遣社員の料金が公式サイトで確かめられたものを並べます。料金は2026年9月に公式サイトで確認した数字です。

サービス 運営元 派遣社員の料金(税込) 派遣元との交渉
男の退職代行 労働組合 21,800円+組合費1,000円 ○
わたしNEXT(女性向け) 労働組合 21,800円+組合費1,000円 ○
退職代行Jobs 民間企業(連携労組あり) 27,000円(労組加入の安心パックは29,000円) 安心パックで労組のサポート
ガイア総合法律事務所 弁護士 25,300円〜(プランは3種類) ○
退職代行retry 行政書士 33,000円 ×
退職代行ネルサポ 民間企業 一律15,000円(雇用形態の条件は申込み前に確認) ×

※男の退職代行とわたしNEXTは、同じ労働組合が運営しています。ガイアの25,300円プランは、退職の意思を伝えるのみのプランです。

労働組合や弁護士ではない民間企業の退職代行は、会社との交渉ができません。退職日の調整や有給の話し合いが必要になる派遣社員は、運営元から選ぶと失敗しにくいです。

契約期間の途中や更新日に合わせたい人は労働組合

退職日を契約の満了日に合わせたい、有給を使い切ってから辞めたい。そうした話し合いが要る派遣社員には、団体交渉ができる労働組合がちょうどいい選択です。男の退職代行は追加費用なしで、全額返金保証がついています。

女性なら、同じ労働組合が運営する【わたしNEXT】も同じ料金です。

損害賠償を言われそうな人は弁護士

有期契約の途中で辞めるうえ、派遣元から「賠償を請求する」と言われている。そういう状況では、代理人として動ける弁護士に任せておくと安心です。ガイア総合法律事務所は、雇用形態を問わず対応するプランを用意しています。未払い給与や残業代の請求は、獲得できた場合のみ成功報酬が20〜30%かかります。

無期雇用で、伝えてもらうだけで足りる人

無期雇用なら2週間のルールで辞められるので、揉める要素は少ないはずです。有給の相談もいらないなら、民間系でも足ります。Jobsは料金が一律で、派遣社員も同じ27,000円です。あとから労働組合に加入することもできます。

派遣の退職代行でよくある疑問

派遣先の現場にも連絡が行きますか?

退職の連絡は派遣元に入れるのが基本です。ただ、派遣先の現場に何をどこまで伝えるかは、サービスや派遣元の対応によって変わると思います。現場に連絡してほしくない場合は、申し込む前の相談で「派遣先には連絡しないでほしい」と伝え、できるかどうかを確かめておくと安心です。

派遣会社に「代わりが見つかるまで待って」と言われたら?

引き止めに同意する義務はありません。無期雇用なら、民法627条で申し入れから2週間で雇用は終わります。有期契約なら更新のタイミングに合わせるか、やむを得ない事由の有無を整理してから動きます。

派遣元とのやり取りが怖くて連絡できないのですが

その場合に退職代行が向いています。派遣元の担当者と話すのがつらい人でも、連絡を任せれば、本人は派遣元とも派遣先とも話さずに済みます。

派遣のアルバイトや短期の仕事でも使えますか?

雇用形態を派遣社員として扱う料金表が公式サイトにあるサービスなら使えます。アルバイトの契約期間や料金の違いは「アルバイト・パートでも退職代行は使える?」に書いています。

迷ったら最初に確かめる3つのこと

派遣の退職で迷ったら、次の3つを順に見てください。

  • 雇用契約書の契約期間の欄(期間の定めがあるか、次の更新日はいつか)
  • 就業条件明示書の苦情の申出先と、派遣元の連絡先
  • 残っている有給の日数

この3つが分かれば、辞め方が見えてきます。2週間で辞めるのか、更新を待つのか、交渉が要るのかが分かります。ほかの退職代行とも比べてから決めたい人は「退職代行おすすめ比較ランキング」も見てみてください。

この記事の内容は2026年10月11日時点のものです。法令の解釈や料金は変わることがあります。個別の判断は、申し込む前に各社の公式サイトや労働局の相談窓口で確認してください。

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