
本ページはプロモーションが含まれています
入社して数日、まだ試用期間の途中。「こんなに早く辞めたいと言っていいのか」「試用期間が終わるまで辞められないのでは」と迷って、動けずにいる人は少なくないと思います。
先に結論を書きます。試用期間中でも辞められて、退職代行も使えます。期間の定めがない契約なら、民法627条により、退職を申し入れてから2週間で契約は終わります。入社1日目でも、本採用が決まったあとでも、辞める側のルールは変わりません。

入社からの日数で変わるのは、辞める権利ではありません。変わるのは周りの扱いです。会社が解雇するときの予告、有給休暇、社会保険の手続きがその例です。この記事では入社日数ごとに何が同じで何が違うのかを表にして、入社直後に辞めるときの確認点をまとめました。
- 期間の定めがない契約は、申し入れから2週間で終わる。試用期間中も同じ(民法627条)
- 辞める側の手続きは入社日数で変わらない。変わるのは会社の解雇予告、有給休暇、社会保険の扱い
- 入社前に聞いた条件と実際が違うなら、労働基準法15条2項により、即時に契約を解除できる場合がある
- 労働基準法21条の14日は、会社が解雇するときの予告の例外の話。辞める人の規則ではない
- 「試用契約」と書かれていても、厚生労働省は多くの場合を、解約権が留保された試用期間と整理している
- 給料は働いた分を全額、退職後は請求から7日以内に受け取れる(労働基準法23条・24条)
試用期間は、辞める側を縛る期間ではない
「試用期間が終わるまで辞められない」と言われることがあります。厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、試用期間をこう説明しています。対象は、入社当初の労働契約に期間を設けた場合です。その期間が労働者の適性を評価・判断する目的のものなら、解約権が留保された試用期間と解される。特段の事情がない場合は、そう整理されています。
留保されているのは会社の解約権です。同じページには、会社が契約を打ち切れるのは、客観的に合理的な理由があって社会通念上相当とされる場合だけと書かれています。会社に厳しい条件が付くことはあっても、働く側に退職を禁じる定めはありません。
契約書に「試用期間3か月」とあっても、有期契約とは限らない
契約書に試用の期間が書かれていると、期間の定めがある契約に見えます。ただ上の整理に従えば、適性を見る目的の期間は「期間の定めがない契約の中の試用期間」として扱われるのが基本です。この場合に使うのが民法627条です。
最初から「6か月の契約社員」のように、期間満了で終わる契約を結んでいる場合は別の話になります。民法628条により、期間の途中で辞めるには「やむを得ない事由」が必要になります。判定表は「契約社員は契約期間の途中で辞められる?」にまとめています。
入社日数別:同じこと・違うことの一覧表
入社から日が浅いと、どの規則が自分に当てはまるのか分かりにくくなります。辞める側の手続きは3区分で同じ、違うのは周辺の扱いです。
| 項目 | 入社1日目〜14日 | 試用期間中(15日目以降) | 本採用後 |
| 辞める根拠(期間の定めなし) | どの区分も民法627条。申し入れの日から2週間で終了する | ||
| 会社が示した条件と実際が違う | 労働基準法15条2項。明示された労働条件が事実と相違する場合は、即時に契約を解除できる | ||
| 会社が解雇するとき(参考) | 試用期間中の人は14日以内なら、解雇予告の規定(20条)の適用外(21条) | 14日を超えると、原則30日前の予告または30日分以上の平均賃金が必要(20条・21条) | 同じく原則30日前の予告または30日分以上の平均賃金(20条) |
| 有給休暇 | 雇入れの日から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤するまでは、法律上の付与なし(39条)。会社が前倒しで付与していれば別 | 6か月継続勤務と8割以上の出勤を満たせば10労働日(39条) | |
| 社会保険(健康保険・厚生年金) | 試用期間中でも報酬が支払われれば使用関係が認められる。事業主が資格取得届を事実発生から5日以内に出す | ||
| 給料の支払い | 働いた分は全額を支払う(24条)。退職後は請求から7日以内(23条) | ||
表の「会社が解雇するとき」の行は、辞める側には直接関係しません。労働基準法21条の「試の使用期間中の者」の14日は、会社が解雇するときに予告がいらなくなる条件です。厚生労働省のページも、解雇予告の例外として並べています。これを辞める人の規則と読み違えて、14日たつまで辞められないと思い込む人がいるので、表に残しました。新卒の場合は「新卒でも退職代行は使える?」で別の角度から整理しています。
示された条件と実際が違うなら、2週間を待たずに辞められることがある
労働基準法15条は、会社は労働契約を結ぶときに賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければならないと定めています。そして、明示された条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できます(15条2項)。
就業のために住居を変えた人が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合は、会社が必要な旅費を負担することも同じ条文にあります。
見比べる書類と見る場所
入社前にもらった書類と、実際に働いてわかった内容を次のように並べて確かめます。
| 見比べる項目 | 入社前の根拠 | 実際との確認 |
| 賃金(金額・支払日) | 労働条件通知書、求人票 | 最初の給与明細 |
| 労働時間・休日 | 労働条件通知書 | 出退勤の記録、シフト表 |
| 契約の期間 | 労働条件通知書、契約書 | 契約書の期間の欄 |
| 仕事の内容・勤務地 | 求人票、面接時の説明メモ | 配属先、業務指示のメール |
どこまでが「事実と相違」に当たるかは、個別の事情で変わります。労働局の総合労働相談コーナーや弁護士に確かめてから動くと安心です。相違に気づいた時点で、書類の写真とやり取りの記録は残しておいてください。

入社直後に辞めるときの手続きと確認点
入社して間もなくても、会社側の手続きは進んでいます。辞めると決めたら、次の点を押さえておきます。
社会保険は入社日から手続きが始まっている
日本年金機構は、試用期間中でも報酬が支払われる場合は使用関係が認められる、と案内しています。事業主が出す被保険者資格取得届の提出期限は、事実発生から5日以内です。入社して数日の段階でも、加入の手続きがもう済んでいることがあります。
辞めたあとに必要な健康保険と年金の手続きは「退職後の健康保険・年金・住民税の手続き」をどうぞ。
退職日まで出社しない場合の扱い
申し入れから2週間は、契約の上では在籍期間です。この間に出社しない日をどう扱うかは、法律の条文だけでは決まりません。法律上の有給休暇は、入社から6か月たつまで付与されないためです。欠勤にするのか、会社が認める休暇にするのか。退職日を前倒しする合意はできるのか。会社との話し合いになります。
退職代行を使うなら、依頼するときにこの2週間をどうしたいかを伝えておくと、話が早く進みます。即日で連絡をやめたい場合の考え方は「退職代行で即日退職はできる?」に書いています。
給料は働いた分を受け取れる
労働基準法24条は、賃金を通貨で直接労働者に全額払うよう求めています。退職した労働者から請求があれば、会社は7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければなりません(23条)。短い期間しか働いていなくても、働いた分は請求できます。
試用期間を理由にした引き止めと、会社から出されやすい話
入社直後の退職では、次のような言葉が出ることがあります。
- 「試用期間が終わるまでは辞められない」
- 「採用にかけた費用や研修費を返せ」
- 「いま辞めたら次の転職で不利になる」
1つ目は、上で見たとおりです。試用期間は会社の解約権を留保した期間にすぎず、辞める側を縛る規則ではありません。引き止め全般の位置づけは「退職を認めない会社への対処法」の判定表で確かめられます。
2つ目の費用の請求は、損害賠償の話につながります。「退職代行を使うと損害賠償を請求される?」を読んでから判断してください。
3つ目の転職への影響は「退職代行は転職に不利?」で、次の会社に伝わる範囲を場面別に整理しています。
本採用を断られそうなときは、先に辞めたほうがいいのか
試用期間の終わりが近づくと、本採用にならないかもしれないと不安になる人もいます。厚生労働省のページが書くとおり、会社が試用期間中の契約を打ち切るには、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要です。会社が自由に断れるわけではありません。
とはいえ、辞めたい気持ちがすでに固まっているなら、本採用の可否を待つ必要はありません。いつ申し入れるかは本人が決められます。会社から解雇を告げられた場合の離職の扱いは、失業保険の記事(退職代行を使っても失業保険はもらえる?)の離職理由の項で確かめてください。
試用期間中の退職代行で、運営元による違い
試用期間中に辞める場合も、会社が素直に応じるかどうかで頼み先の向き不向きが分かれます。
| 運営元 | 向いている場面 | 注意点 |
| 民間企業 | 会社が退職の意思を受け入れそうで、連絡の代わりを頼みたい | 会社が条件を争ってきたときの交渉はできない |
| 労働組合 | 退職日や貸与物の返却などを会社と調整したい | 金銭の請求まで任せられるかは、事前に確認する |
| 弁護士 | 研修費の請求や条件相違の争いなど、金銭の話が出そう | 費用はプランごとに違うため、公式サイトで確かめる |
運営元ごとの法的な違いは「労働組合の退職代行とは」と「弁護士の退職代行とは」にあります。
入社日数と状況から選ぶ頼み先
最後に、状況別の頼み先をまとめます。
会社と退職日や貸与物を調整したい人
団体交渉ができる労働組合の退職代行が向いています。入社直後でも、会社との窓口をまとめて任せられます。
女性なら、同じ労働組合が運営する【わたしNEXT】も候補です。
条件相違の争いや費用の請求が出そうな人
示された条件と実際が違って即時解除を考えている、会社が研修費を請求すると言っている。そんなときは弁護士が窓口になる退職代行のほうが安心です。
ほかのサービスも含めて比べたいときは「退職代行おすすめ比較ランキング」を見てください。
法律の条文や制度は変わることがあります。この記事は執筆時点で確認した原文をもとにしています。個別の事情の判断は、労働局の窓口や弁護士にご相談ください。
































