【2026年】産休・育休中でも退職代行で辞められる?出産手当金と給付の時期別表

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産休や育休の途中で、会社に戻る気持ちになれない。でも辞めたら出産手当金や育児休業給付が消えるのではと考えて、動けない人は多いと思います。

先に結論です。産休中でも育休中でも、退職代行で辞めること自体はできます。ただし「いつ辞めるか」で、もらえる給付と使えなくなる給付がはっきり分かれます。

産休・育休中でも辞める 手当はどうなる

先に結論だけ
  • 期間の定めのない雇用なら、産休中でも育休中でも、申し入れから2週間で契約は終わる(民法627条)
  • 出産手当金は、産休中に退職しても残りの期間分を受け取れる。条件は、被保険者期間が1年以上続いていることと、退職日に出勤しないこと
  • 育児休業給付は、育休の最初から退職を予定していると対象外。受給資格の確認後に退職すると、退職日まで支給される
  • 失業保険は、妊娠・出産・育児で働けないあいだは受け取れないが、受給期間を最長3年まで延ばす申請ができる
  • どの給付も決め手は退職日。代行には退職日を先に伝えておく

産休・育休中でも退職代行は使える

産休や育休に入っているかどうかは、退職できるかどうかに関係しません。見るのは、雇用契約に期間の定めがあるかどうかです。

民法627条は、期間を定めなかった雇用ならいつでも解約を申し入れられ、申し入れの日から2週間で終了すると定めています。休業中の人だけを外す書き方はありません。

契約社員など期間の定めがある場合は、民法628条の「やむを得ない事由」が関わります。その場合は先に「契約社員は契約期間の途中で辞められる?」の判定表を見てください。

もうひとつ、育児休業給付には有期雇用の人だけの追加要件があります。育休を取る時点で、子が1歳6か月になるまでに労働契約の期間が満了することが明らかでないことが必要とされています(厚生労働省のQ&A)。

辞める時期別:もらえるもの・もらえなくなるもの

まず全体の表を置きます。細かい条件は、このあとの見出しごとに書いています。

辞める時期 もらえるもの もらえなくなる・変わるもの
産休に入る前(妊娠中) 出産育児一時金(被保険者期間が継続して1年以上あり、退職後6か月以内に出産した場合)。失業保険の受給期間の延長 育休の最初から退職を予定している場合は育児休業給付の対象外。出産手当金は「退職日の前日に受けられる状態」という条件があるため、協会けんぽの支部に先に確認する。産休・育休中の社会保険料免除は休業期間中の制度なので、休業前に辞めれば使えない
産休中 出産手当金(継続して1年以上あり、退職日に出勤しなければ退職後も続く)。出産育児一時金。失業保険の受給期間の延長 この先に育休を取って給付を受ける前提の退職なら、育児休業給付は対象外。保険料の免除は休業期間中の話で、退職後の健康保険と年金は別の手続きになる
育休中 育児休業給付(受給資格の確認後に退職すると退職日まで)。それまでに受けた給付は、原則として返金不要。失業保険の受給期間の延長 退職日の翌日以降の育児休業給付。育休の最初から退職を予定していた場合は、給付そのものが対象外
復帰後 失業保険(離職理由と被保険者期間で決まる) 育児休業給付は、復帰日の前日で終わっている

出産手当金は、退職日に出勤するかで決まる

出産手当金は、出産のために会社を休み、その間に給与が出なかったときの給付です。協会けんぽのページでは、出産日(予定日より遅れたときは予定日)以前42日(多胎妊娠は98日)から出産の翌日以後56日目までの、会社を休んだ期間が対象とされています。

退職後も続けて受け取る条件は2つ

被保険者の資格を失ったあとも出産手当金を受け取るには、協会けんぽの原文にある次の2つを満たす必要があります。

退職後も出産手当金を受け取る条件
  • 資格喪失日の前日(退職日など)までの被保険者期間が、継続して1年以上ある(任意継続の期間は除く)
  • 資格喪失日の前日に、出産手当金を受けている、または受けられる状態にある

休職(有給休暇を含む)のまま退職した場合は、退職後も引き続き出産手当金を受けられると案内されています。反対に、退職日に出勤すると、資格喪失後の出産手当金は受けられません。

産休中は出勤の予定がないはずです。それでも、引き継ぎや返却物のために退職日に会社へ行く流れはありえます。退職日は休業中の日にして、出社せずに済むようにしておくと安心です。

産休に入る前に辞める場合、2つ目の条件に当たるかは原文だけでは判断できません。支給の対象期間に入る前の退職になるためです。ここは自分で決めつけず、加入先の協会けんぽ支部に確認してください。申請書は、加入している協会けんぽの支部に出します。

出産育児一時金は、退職後6か月以内の出産までもらえる

出産育児一時金も、条件を満たせば退職後に受け取れます。協会けんぽの原文では、資格喪失日の前日までの被保険者期間が継続して1年以上あることと、資格喪失後6か月以内に出産したことが条件です。

金額は、産科医療補償制度に加入している医療機関で在胎週数22週以降に出産した場合、1児につき50万円です。退職後の出産では、受け取れる保険者が複数になることもありますが、重複して受け取ることはできません。

育児休業給付は「いつ退職を決めたか」で扱いが変わる

育児休業給付は、雇用保険から出る給付です。厚生労働省のQ&Aでは、休業開始時賃金日額に支給日数をかけ、67%(育休の開始から181日目以降は50%)をかけて計算するとされています。支給は原則として子が1歳になる日の前々日までで、その前に職場復帰したら復帰日の前日までです。男性も対象になります。

退職を決めたタイミング別の扱い

退職と育児休業給付の関係は、厚生労働省のQ&AのQ50とQ51に書かれています。内容を順に並べました。

状況 育児休業給付の扱い
育休の当初から退職を予定している 支給対象にならない。育児休業給付は、育休後の職場復帰を前提とした給付金とされている
育児休業給付金の受給資格の確認後に、退職することになった 支給対象になる。支給対象期間中に退職した場合は、退職日まで支給される
育休中に退職した(上の2つとは別に、返金の話) 受給資格の確認の時点で退職が予定されていた場合を除き、それまで受けた給付を返す必要はない

退職日までの支給という扱いは、令和7年4月1日以後に退職した人に適用されます。それより前の退職は、退職日を含む支給単位期間の一つ前までの支給という別の扱いでした。

育児休業給付は非課税所得で、課税の対象になりません。育休中は、健康保険と厚生年金の保険料も本人・会社の両方が免除されます。

退職を考えながら育休に入る場合は、給付の扱いが上の表のとおり変わります。手続きの前に、加入先のハローワークに今の状況を伝えて相談してください。

社会保険料の免除は、休業期間中だけの話

日本年金機構のページによると、産前産後休業期間中の健康保険・厚生年金の保険料は、本人と会社の両方が免除されます。事業主が年金事務所に申し出ることが条件です。満3歳未満の子を養育する育児休業等の期間も同じ扱いです。免除された期間は、将来の年金額を計算するうえで、保険料を納めた期間として扱われます。

どちらも「休業期間中」の制度です。退職したあとの健康保険と年金は、任意継続・国民健康保険・家族の扶養のどれかを選ぶ別の手続きになります。期限と選び方は「退職後の健康保険と年金の手続き」にまとめています。

月末に辞めるか月の途中で辞めるかで、保険料の負担は違ってきます。その違いは「退職日は月末と月の途中どっちがいい?」の表を見てください。

失業保険は「受給期間の延長」を先に申請する

退職後に失業保険(基本手当)を受け取るには、すぐに働ける状態であることが条件です。ハローワークの原文では、妊娠・出産・育児のためすぐには就職できないときは、基本手当を受けられないとされています。

そのために、受給期間を延ばす制度があります。受給期間は原則として離職した日の翌日から1年間です。妊娠や出産、育児などで引き続き30日以上働けなくなった場合は、その日数だけ延長できます。延長できる期間は最長で3年間です。

延長の申請は、あとからでもできる

申請は、30日以上働けなくなった日の翌日以降に早めにするのが原則です。ただし、延長後の受給期間の最後の日までなら申請できます。住所を管轄するハローワークに出し、代理人や郵送でもよいとされています。

確認すること ハローワークの原文
延長できる理由 病気・けが・妊娠・出産・育児などで、引き続き30日以上働けなくなったとき
延長できる期間 働けなくなった日数だけ。最長で3年間
受給資格 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上
特定理由離職者に当たる場合 妊娠・出産・育児等で離職し、受給期間の延長を受けた人は、特定理由離職者の範囲に入る。この場合は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上でもよい

被保険者期間は、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月として数えます。育休や産休が長いと、この月数が足りるのか不安になる人もいると思います。休業中の月の数え方は原文で確認できていないので、申請のときにハローワークの窓口で聞いてください。

失業保険の全体像と、離職票の受け取り方は「退職代行を使っても失業保険はもらえる?」にあります。

頼み先の選び方と、先に伝えておくこと

産休・育休中の依頼では、退職の意思を伝えることより、退職日と書類のやり取りが山になります。申し込みのときに次の点を伝えておくと、あとでやり直す手間が減ります。

代行に伝えておくこと
  • 退職日は、休業中の日にしたい(出社せずに済ませたい)
  • 出産手当金や育児休業給付の手続きで、会社とのやり取りが続くかどうかを知りたい
  • 引き継ぎや返却物は、郵送で済ませたい

有給休暇が残っている場合の扱いは、会社の就業規則で確かめてください。「退職代行で有給消化はできる?」もあわせて読んでください。

休業中の退職は、退職日の指定や書類の依頼まで頼めるかどうかで、向き不向きが分かれます。

労働組合:退職日の調整まで話せる

労働組合は団体交渉で、会社と退職日などの条件を話し合えます。退職日を休業中の日にしたい人に向いています。

退職代行に相談している様子

当サイトで扱うわたしNEXTは、2026年9月時点で正社員・契約社員・派遣社員などが21,800円+組合費1,000円でした。全額返金保証もあります。育児休業給付は男性も受け取れます。男性が休業中に頼むなら男の退職代行も同じ料金です。

弁護士:会社と揉めそうなとき

会社が退職を認めないと言ってきたときや、給付に関わる書類を出してくれないときは、会社との交渉の代理人になれる弁護士が頼りになります。

ガイア総合法律事務所は、2026年9月時点で25,300円・55,000円・77,000円の3プランです。25,300円は退職の意思を伝えるのみで、どのプランが退職日の調整や書類まで含むかは、申し込む前に公式サイトで確かめてください。

民間企業:意思を伝えるところまで

民間企業の退職代行は、会社に退職の意思を伝える役までです。退職日の調整や条件の交渉はできません。休業中は会社とのやり取りが残りやすいので、頼む前にどこまで対応してもらえるかを聞いておくと安心です。

休業中の退職でよくある疑問

退職代行を使うと、出産手当金や育児休業給付は止まりますか?

退職代行を使ったことを理由に止まる、という定めは、確認した原文にありません。支給を左右するのは、ここまでの表にある被保険者期間・退職日の出勤・退職を決めた時期などの条件です。

育休の途中で退職を決めたら、もらった給付は返しますか?

厚生労働省のQ&Aでは、受給資格の確認時点で退職が予定されていた場合を除いて、それまで受けた給付を返す必要はないとされています。

会社が書類を出してくれないときは?

出産手当金は協会けんぽの支部、育児休業給付はハローワークに状況を伝えて相談してください。代行を挟んでいる場合は、代行にも共有しておくと話が進みます。

迷ったら:状況別のおすすめ

休業中の人向けに、頼み先を2つに分けて並べます。

退職日の調整まで任せて、静かに辞めたい人

退職日を休業中の日に決めたいときは、会社と話せる労働組合が合っています。

男性なら同じ労働組合の【男の退職代行】も選べます。

会社が退職を認めない、書類を出さないと言っている人

揉めそうなときは、代理人になれる弁護士に頼んでおくのが無難です。

ほかのサービスも比べたい人は「退職代行おすすめ比較ランキング」を見てみてください。

料金は2026年9月時点で各サービスの公式サイトを確認したものです。出産手当金・出産育児一時金・育児休業給付・失業保険の説明は、協会けんぽ・厚生労働省・ハローワーク・日本年金機構の公開ページに基づく一般的な内容です。個別の判断は、加入先の協会けんぽ支部とハローワークに確認してください。

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