【2026年】退職日は月末と月の途中どっちがいい?社会保険料と住民税の違い

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退職日を月末にするか、その手前にするか。会社に伝える前に迷う人は多いです。月末まで待てば余計に働くことになります。かといって早めに辞めて、社会保険料で損をするのも避けたいところです。

先に書くと、保険料の面で差がつくのは「月末かどうか」の1点だけです。月末より前に辞めるなら、月初でも月末の前日でも保険料の扱いは同じになります。

退職日は月末と 月の途中どっち?

先に結論だけ
  • 社会保険の資格を失うのは退職日の翌日。月末に辞めると喪失日は翌月1日になる
  • 月末退職は退職月分まで健康保険・厚生年金の保険料がかかり、月末より前だと退職月は国民年金などを自分で払う側に回る
  • 月末より前なら、月初に辞めても月末の前日に辞めても扱いは同じ
  • どちらが安いかは金額を並べないと決まらない。「月末が得」「月末は損」とは言い切れない
  • 住民税は月末かどうかではなく、辞める時期で扱いが変わる

退職日と「資格喪失日」の関係

健康保険も厚生年金も、会社を辞めたその日ではなく退職日の翌日に資格がなくなります。根拠は健康保険法36条で、その事業所に使用されなくなった日の翌日から資格を喪失すると定められています。

保険料は日割りではなく月単位です。厚生年金保険法19条は、被保険者期間を月で数え、資格を取得した月から喪失した月の前月までを算入すると定めています。つまり資格を失う日が何月にあるかで、その月の保険料を払うかどうかが決まるわけです。

協会けんぽのよくある質問にも、保険料は加入した月分が必要で、資格を喪失した月分は必要ないと書かれています。

退職日別に見る保険料の違い

日本年金機構の案内にある例をもとに、退職日ごとの扱いを表にしました。次の会社にすぐ入らず、しばらく空く場合の整理です。

退職日 資格喪失日 健康保険・厚生年金(退職月) 国民年金(第1号)
月末(例:3月末) 翌月1日(4月1日) 退職月分まで払う(3月分まで) 翌月分から(4月分から)
月末の前日 月末日 退職月分は払わない(前月分まで) 退職月分から
月の途中(例:4月15日) 翌日(4月16日) 退職月分は払わない(前月分まで) 退職月分から(4月分から)
月初 月初日の翌日 退職月分は払わない(前月分まで) 退職月分から

※月末と月の途中の行は、日本年金機構の案内にある例のとおりです。月末の前日と月初は、同じ決まりを当てはめた整理です。

表のとおり、3月末に辞めた場合と4月15日に辞めた場合で、国民年金が4月分から始まる点は同じです。違うのは退職月の「その月をどちらの制度で数えるか」で、月末に辞めれば会社の制度(健康保険・厚生年金)で、月末より前なら国民年金で数えます。

月末に辞める場合と月末より前に辞める場合

月末に辞めると

退職月まで健康保険・厚生年金に入っているので、その月分の保険料が引かれます。在職中の保険料は事業所と本人が半分ずつ負担する仕組みです。そして退職月が厚生年金の被保険者期間として数えられます。

もうひとつ見落としがちなのが給料からの引かれ方です。日本年金機構の案内には、月末に退職すると給与計算の締切日によって前月分と当月分の保険料が退職時の給与から一緒に引かれる場合がある、と書かれています。最後の給与の手取りが思ったより少なくなることがあるわけです。

月末より前に辞めると

退職月の健康保険・厚生年金の保険料はかかりません。その代わり、退職月から国民年金の第1号被保険者として自分で保険料を納めることになります。国民健康保険に入る場合の保険料は市区町村ごとに決まるので、窓口で確認してください。

保険証にも期限があります。協会けんぽの案内では、資格喪失日以降は使えず、使ってしまった場合は医療費を全額返納することになると書かれています。

月末に辞めて翌月の途中で次の会社に入社した場合、入社した月の国民年金保険料は払わなくてよい、という例が日本年金機構の案内に出ています。転職先が決まっているなら、入社日と退職日をセットで考えておくと無駄が出にくいです。

金額は自分で並べて比べる

月末が得か損かは、人によって答えが変わります。会社と半分ずつの保険料と、国民年金などを全額自分で払う保険料のどちらが軽いかは、給料と住んでいる市区町村で決まるからです。

比べるときは、次の項目を並べると整理しやすいです。

項目 月末に辞める 月末より前に辞める 確かめる場所
退職月の年金 厚生年金(会社と折半) 国民年金(全額自分で納付) 給与明細/年金事務所・市区町村
退職月の健康保険 今の健康保険(会社と折半) 任意継続・国民健康保険・家族の扶養のいずれか 協会けんぽ支部/市区町村
退職月の給料 月末まで働いた分が出る 辞めた日までの分が出る 給与明細・就業規則
最後の給与の引かれ方 前月分と当月分が一緒に引かれることがある 前月分まで 会社の給与担当
厚生年金の被保険者期間 退職月も数えられる 退職月は数えられない 厚生年金保険法19条

退職代行に相談している様子

住民税は月末かどうかで決まらない

住民税は、辞める日が月末かどうかではなくどの時期に辞めるかで扱いが変わります。大阪市の案内を例にすると、次のとおりです。

辞める時期 残りの住民税の扱い
1月1日から4月30日 本人の申出にかかわらず、最後の給与や退職手当等からまとめて徴収される(5月31日までに支払予定の給与等を超える場合は普通徴収に切り替え)
6月1日から12月31日 本人の申出があればまとめて徴収。そうでなければ普通徴収に切り替わり、納税通知書で自分で納める

※自治体によって案内や書式が少し違います。実際の扱いは勤め先の給与担当か、住んでいる市区町村で確認してください。

1月から4月に辞める人は、最後の給与や退職金から数か月分がまとめて引かれます。手取りが大きく減るので、辞める前に給与担当へ金額を聞いておくと安心です。

会社は、退職した月の翌月10日までに市区町村へ異動の届出を出します。このため退職日を月末にするか月の途中にするかよりも、何月に辞めるかの方が住民税には効いてきます。

とくに年をまたぐ人は注意です。12月中に辞めれば本人の申出で一括にするか普通徴収かを選べますが、1月に入ってから辞めると申出にかかわらず一括徴収になります。年末年始をはさんで退職日を動かせるなら、手取りへの影響を先に確かめておいた方がいいです。

退職日を月末に合わせたいときの進め方

退職日を月末に合わせたい場合でも、まず前提になるのは民法627条のルールです。鹿児島労働局のQ&Aによると、期間の定めのない雇用は解約の申し入れから2週間で終了します。会社の同意がなくても辞められる仕組みです。

同じQ&Aには、月給制の場合は賃金計算期間の前半に申し入れてほしいとも書かれています。就業規則に退職の規定がある場合は原則としてそちらが適用されるとも案内しているので、日付を決める前に就業規則も見ておきます。

日付の決め方は単純です。連絡する日から2週間以上先で、いちばん近い月末を退職日にします。足りない日数は有給休暇で埋められます。有給の扱いは退職代行で有給消化はできるか、すぐ辞めたいときの考え方は即日退職できるかに書いています。

退職代行に日付を任せるとき

退職代行を使う場合も、「退職日は月末にしたい」という希望は一緒に伝えられます。ただ民間企業の退職代行は、本人の希望を会社に伝える役です。会社が別の日を言ってきて話し合いになったときの交渉は、労働組合か弁護士の領分になります。

運営元ごとの違いは労働組合の退職代行とはと弁護士の退職代行とはで書いています。

退職日を決めたあとの手続き

退職後は、国民年金の第1号被保険者になるなら市区町村で資格取得の手続きが必要です。健康保険は任意継続なら、退職日の翌日から20日以内(20日目が土日・祝日なら翌営業日)に協会けんぽ支部へ申出書を出します。郵送は期限内に届くようにする必要があります。

賞与が出る月に辞めるなら、保険料とは別に支給日に在籍しているかどうかも絡みます。詳しくは退職とボーナスの記事に書きました。

退職日についてよくある疑問

月末に辞めると保険料が二重に引かれるのですか

負担が二重になるわけではありません。保険料は前月分を当月の給与から引くのが通常で、最後の給与では前月分と当月分が一度に引かれる場合がある、というだけです。月ごとに数えれば、どちらも本来払う月分です。

月末より前に辞めたら、翌日から保険証は使えないのですか

資格喪失日以降は使えなくなります。退職日の翌日から医療機関にかかる予定があるなら、任意継続・国民健康保険・家族の扶養のどれにするかを先に決めておきます。手続きが遅れると医療費を全額払うことになりかねません。

会社に「月末まで残れ」「翌月まで待て」と言われたら

法律上は、申し入れから2週間で退職できるのが原則です。会社が日付をずらしたがるのは引き継ぎの都合であることが多く、話し合いで折り合うならそれが穏便ではあります。ただ就業規則の定めや本人の体調によっては、希望の日で押し切ってかまいません。会社と話すのがつらい場合は、間に入ってもらえる運営元を選んでおくと楽です。

退職日で迷ったときの決め方

金額を並べて決めるのがいちばん確実ですが、手間がかかるのも事実です。個人的には、次の3つで考えると迷いにくいかなと思います。

  • 転職先が決まっていて入社日が近い人は、入社日から逆算して退職日を決める
  • しばらく空く人は、給与明細の健康保険・厚生年金の控除額と、国民年金・国保の見込み額を並べて決める
  • 心身がつらくて日数を待てない人は、保険料より先に辞めることを優先し、後から手続きで整える

状況別のおすすめ

退職日の調整や有給消化の交渉まで任せたい人には、労働組合が運営する退職代行が向いています。会社と話し合える立場にあるので、日付の希望を伝えるだけで終わりません。

未払いの残業代や退職金の請求まで絡みそうなら、弁護士が運営する退職代行が安心です。代理人として会社と交渉できます。

ほかのサービスと比べたい人は「退職代行おすすめ比較ランキング」で運営元と料金を並べています。

この記事の内容は公開時点のものです。保険料や手続きの扱いは勤め先の保険者や自治体によって異なることがあるので、実際の判断は年金事務所・協会けんぽ・市区町村の窓口でも確かめてください。

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