【2026年】退職後の健康保険と年金の手続き|任意継続・国保・扶養の期限と選び方

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会社を辞めたあと、健康保険と年金はどうなるのか。退職代行を頼んだ場合も、保険証を返したあとの手続きは自分でやることになります。しかも期限が短く、14日と20日の二つがあります。

先に書くと、期限が短いのは健康保険の任意継続(20日以内)と、国保・国民年金の届出(自治体の案内では14日以内)です。どれを選ぶかを辞める前に決めておけば、退職後に慌てません。

退職後の健康保険 年金の手続き期限

先に結論だけ
  • 退職後の健康保険は任意継続・国民健康保険・家族の扶養の3つから選ぶ
  • 任意継続の申出は退職日の翌日から20日以内。遅れると原則として入れない
  • 国保と国民年金の届出は、自治体の案内で14日以内とされている(数え始めの書き方は自治体で違う)
  • 任意継続は退職前の保険料の2倍。どれが安いかは人によって変わる
  • 払えないときは、国民年金の特例免除や国保料の軽減が使える場合がある

退職後の手続きの期限は「14日」と「20日」の二つ

会社の健康保険と厚生年金は、退職日の翌日に資格がなくなります。その仕組みと月末退職との関係は退職日は月末と月の途中どちらがいいかに書いたので、ここでは触れません。

次の表は、退職から順に何をいつまでにやるかを並べたものです。

いつまでに やること 窓口
辞める前〜退職日 会社に頼む書類を決める(離職票・健康保険資格喪失証明書など。下の書類の表を参照) 会社の人事・総務(退職代行経由でも可)
退職日の翌日から20日以内 健康保険の任意継続を申し出る(20日目が土日・祝日なら翌営業日) 住んでいる都道府県の協会けんぽ支部
14日以内(自治体の案内) 国民健康保険の加入届 市区町村の国保窓口
退職後14日以内(自治体の案内) 国民年金の加入届(20歳以上60歳未満) 市区町村の国民年金窓口
任意継続の初回の納付期日まで 最初の保険料を納める。遅れると、任意継続に入らなかったものとみなされる 協会けんぽから届く納付書
任意継続のあと毎月 保険料を10日までに納付(納付書か口座振替) 協会けんぽ
家族の扶養に入るとき 被扶養者の届出 家族の勤務先

※14日は国民健康保険法などの条文そのものではなく、自治体の案内に出ている日数です。神戸市は「資格喪失日(退職日の翌日)から」、江戸川区は「退職後」と書き方が違うので、数え始めの日は市区町村の窓口に確認してください。

20日のほうは健康保険法37条に「資格を喪失した日から二十日以内」とあります。同じ条には、正当な理由があると保険者が認めたときは期間を過ぎた申出も受理できるとも書かれています。ただ、これを当てにするのは避けたいところです。

健康保険は3つから選ぶ

協会けんぽの案内によると、退職後の健康保険には「任意継続」「国民健康保険」「家族の健康保険(被扶養者)」の3つの選択があります。毎月納める保険料を比べたうえで選ぶように、と書かれています。

任意継続 国民健康保険 家族の扶養
手続き先 協会けんぽ支部 市区町村の国保窓口 家族の勤務先
期限 退職日の翌日から20日以内 14日以内(自治体の案内) 家族の勤務先に確認
入れる条件 退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上 市区町村に確認 家族の健康保険の扶養の条件を満たすこと
保険料 退職時の保険料の2倍(上限あり)。原則2年間変わらない 世帯の人数や前年の所得などで決まる。市区町村ごとに違う 被扶養者の保険料負担はなし
入っていられる期間 2年間(就職して別の健康保険に入ったときなどは終わる) 次の健康保険に入るまで 扶養の条件を満たす間
向いている人 保険料を比べて任意継続が安い人。在職中と同じ保険を続けたい人 収入が下がって保険料が軽くなりそうな人。減免を使いたい人 家族が会社員で、収入が基準内の人

任意継続を選ぶとき

条件は、退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上あることです。入社して間もなく辞める場合は、この条件で入れないことがあります。

保険料は、在職中に給料から引かれていた額の2倍になります。在職中は会社が半分を負担していたのが、退職後は全額が自分の負担になるためです。計算は退職時の標準報酬月額に都道府県ごとの保険料率をかけますが、標準報酬月額が32万円を超えていた人は32万円で計算します。

注意したいのは初回の保険料です。健康保険法37条の2項には、初めて納める保険料を期日までに納めなかったときは任意継続被保険者にならなかったものとみなす、という定めがあります。申出書を出して終わりではなく、納付書が届いたらすぐ払ってください。

任意継続の期間中に就職して別の健康保険に入った場合や、保険料を期限までに納めなかった場合は、資格がなくなります。在職中から続けて傷病手当金をもらっている人の扱いは休職中でも退職代行で辞められるかにまとめました。

国民健康保険を選ぶとき

退職後に次の健康保険へ入るまでの間は、国保に入ることになります。神戸市の案内では、資格喪失日(退職日の翌日)から14日以内に住所地の区役所・支所の国保窓口へ届け出るとされています。

持っていく書類は自治体で違います。神戸市の案内では、健康保険資格喪失証明書が必要で、離職票は使えません。この書類は会社に頼まないと手元に来ません。保険料は市区町村ごとに決まるので、金額は窓口か自治体のサイトで試算するのが確実です。

家族の扶養に入るとき

配偶者や親などが会社の健康保険に入っている場合は、その扶養に入る道もあります。保険料の負担はありません。

扶養に入れるかどうかは、収入の条件で決まります。日本年金機構の案内では、年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)で、同居なら収入が被保険者の半分未満という基準が示されています。細かい扱いは家族の勤務先や保険者で変わるので、先に確認してください。

退職代行に相談している様子

年金は国民年金への切り替えが基本

会社員の間は厚生年金に入っています。辞めて厚生年金から抜けると、20歳以上60歳未満の人は国民年金への加入が必要です。江戸川区の案内では、扶養している60歳未満の配偶者がいる場合は、配偶者も同時に加入が必要になるとされています。

届出は退職後14日以内に、市区町村の窓口でやります。持っていくものは、退職日がわかる証明書と基礎年金番号がわかるもの、本人確認書類の3つです。退職日がわかる書類には、離職票や退職証明書のほか、退職日が書かれた源泉徴収票なども使えると江東区の案内にあります。

保険料は月額17,920円です(令和8年度、江東区の案内)。手続きのあと1か月半ほどで日本年金機構から納付書が届きます。

厚生年金と違って会社が半分を出してくれないので、手取りの少ない時期には重く感じます。次の2つの制度を知っておけば、払えない月が出ても慌てずに済みます。

払えないときに使える制度

国民年金の特例免除

失業を理由に保険料の納付が難しいときは、特例免除の申請ができます。熊本市の案内によると、ふつうは審査の対象になる本人の所得を除いて審査する仕組みです。ただし配偶者や世帯主に一定以上の所得があると、免除が認められない場合があります。

免除された期間は、全額納付した場合と比べて年金額が2分の1の割合で計算されます。後から納めて取り戻せる追納の制度もあり、10年以内なら使えます。申請には、雇用保険の離職票などの離職を証明する書類が必要です。

国民健康保険料の軽減

倒産・解雇・雇止めで失業した人と、正当な理由のある自己都合で辞めた人のうち、対象になる人は国保料が軽減されます。渋谷区の案内では、離職時に65歳未満で、雇用保険受給資格者証などの離職理由コードが定められた番号のどれかに当たることが条件です。

軽減の中身は、前年の給与所得を30パーセントにして保険料を計算するというものです。期間は離職の日の翌日から翌年度末までで、適用を受けるには届出をします。対象かどうかは離職理由で決まるので、離職票の書かれ方を確認しておく必要があります。離職票と離職理由の話は退職代行を使うと失業保険はもらえるかに詳しく書いています。

退職代行で辞めるときの書類の受け取り方

手続きの多くは、会社から出る書類がないと進みません。退職代行を頼む場合も、書類は退職の連絡と同時に「郵送してほしい」と伝えてもらいます。

書類 使う手続き
健康保険資格喪失証明書 国民健康保険の加入届(神戸市は離職票では不可と案内)
離職票(雇用保険被保険者離職票) 失業保険の手続き/国民年金の免除申請/国保料の軽減の確認
退職証明書・源泉徴収票(退職日の記載があるもの) 国民年金の加入届で退職日を示す書類として使える(江東区の案内)
基礎年金番号がわかるもの 国民年金の加入届・免除申請

どの書類が必要になるかは、市区町村によって少しずつ違います。窓口に電話して、持っていくものを先に聞いておくと二度手間になりません。

退職日の希望や書類の送付を会社に伝えるところまでは、民間の退職代行でも対応できます。会社が書類を出し渋るなど、やり取りが必要になったときの交渉は、労働組合か弁護士の領分です。運営元ごとの違いは労働組合の退職代行とはに書いています。

手続きでよくある疑問

期限を過ぎたらもう入れないのですか

任意継続は、健康保険法37条に正当な理由があると保険者が認めたときは受理できるとあります。ただ、認められるかどうかは保険者の判断です。国保と国民年金の期限後の扱いは、自治体によって違うので窓口に確認してください。

次の会社がすぐ決まっていたら手続きは要りませんか

退職から次の会社に入るまでの間が空くなら、その間は国保に入ることになります。神戸市の案内にも、新しい健康保険に加入するまでの間は国保へ加入すると書かれています。入社日が決まっているなら、入社日と退職日をセットで考えておくと無駄が出にくいです。

任意継続に入ったあと、就職したらどうなりますか

就職して別の健康保険の被保険者になると、任意継続の資格はなくなります。そのときは任意継続の資格喪失申出書を協会けんぽへ出すことになります。

辞める前に決めておくこと

手続きの数が多く期限も短いので、辞める前に次の3つを決めておくと迷いません。

  • 健康保険は任意継続・国保・家族の扶養のどれにするか(保険料を試算してから)
  • 会社に送ってもらう書類(離職票・健康保険資格喪失証明書・源泉徴収票)
  • 14日と20日の期限日をカレンダーに入れておく

個人的には、任意継続の申出が20日と短いことが一番の落とし穴だと思います。国保と迷う場合は、退職前から保険料の見込みを調べておき、期限内に決められるようにしておくのが無難です。

状況別のおすすめ

手続きの書類や退職日の希望まで、会社に伝えてもらいたい人には、労働組合が運営する退職代行が向いています。会社と話し合える立場にあります。

書類の請求や未払いの賃金などで揉めそうなら、弁護士が運営する退職代行が安心です。代理人として会社と交渉できます。

女性で、書類の送付も含めて相談しながら進めたい人には、女性向けのサービスもあります。

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この記事の内容は公開時点の制度の一般的な説明です。保険料の額や手続きの扱いは、勤め先の保険者や市区町村によって異なります。実際の判断は、協会けんぽ・年金事務所・市区町村の窓口でも確かめてください。

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