【2026年】内定辞退の代行は使える?時期別の対応表と民法627条との関係

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内定は出た。けれど辞退の電話をかける勇気がない。入社日が近づくほど気が重くなって、連絡を先延ばしにしてしまう人は少なくありません。

結論から書くと、内定辞退を代行してもらうことはできます。ただ、多くの場合はメール1通で済む話です。代行が向くのは、入社日が迫っている人や、会社からの連絡が止まらない人です。辞退を認めないと言われた人も当てはまります。どちらを選ぶかは、いま内定のどの段階にいるかで決まります。

内定辞退は 代行に頼める?

先に結論だけ
  • 内定を辞退する自由はある。会社が辞退を拒否することはできない
  • 内定で労働契約が成立している場合、辞退は民法627条により申し入れから2週間で終わる
  • 承諾前か、誓約書を出したあとか、入社日まで2週間を切っているかで動き方が変わる
  • 代行に頼むなら、公式サイトで内定辞退の区分が確認できたサービスを選ぶ。確認できないところは申し込む前に問い合わせる

内定辞退は法律上どう扱われるか

内定は「まだ働いていないから、ただの約束」というものではありません。東京都の就活向け冊子には、内定通知と誓約書などの提出がそろっていれば労働契約が成立しているとされる、と書かれています。働き始める日は卒業後などの先の日付で、それまで会社が契約を解約できる余地を残している。この形を「始期付解約権留保付労働契約」と呼びます。

厚生労働省の資料にも、採用内定によって労働契約が成立していると解された最高裁判決として、昭和54年7月20日と昭和55年5月30日の判決が挙がっています。

辞退は会社に拒否できない

同じ東京都の冊子には、内定の辞退を企業が拒否することはできないとあります。労働者に職業選択の自由があるからです。契約は成立していても、辞退すれば2週間でその契約は終わるとされています。根拠は民法627条です。

「内定を出してやったのに」と言われても、辞退する権利が消えるわけではありません。

内々定の段階はどうなるか

内々定は、内定通知より前の段階です。冊子では、選考の一過程にすぎず、一般的にはまだ採用が正式に決まっていないと考えられていると説明されています。ただし名称が内々定でも、毎年の採用のやり方や応募者とのやり取りによっては、契約が結ばれているとみなされる場合もあるそうです。

つまり「内々定だから何を言ってもいい」とも、「内定だから絶対に辞められない」とも言い切れません。手元の書類と、これまでのやり取りで見ていくことになります。

時期別の対応表:承諾前から入社後まで

どの段階にいるかで、法律上の位置づけと動き方が変わります。民法627条は「申し入れの日から2週間」で契約が終わる決まりなので、入社日までの残りの日数がもう1つの目安になります。

いまの段階 法律上の位置づけ(一般的な考え方) 動き方 代行の出番
内々定や内定通知を受けただけで、承諾も誓約書もまだ 契約が成立していないと判断された例がある(誓約をせず、手続きも進んでいなかった事例)。ただし経過によっては成立とみなされることもある 早めに辞退を伝える。メールで足りることが多い 連絡しにくいときだけ
承諾の返事や誓約書を出したあと、入社日まで2週間以上ある 労働契約が成立している場合が一般的。辞退は民法627条で、申し入れから2週間で終わる メールや電話で辞退を伝え、日付と内容を記録に残す 引き止めが強いとき、連絡を避けたいとき
誓約書を出したあとで、入社日まで2週間を切っている 2週間で終わる計算だと、入社日までに契約が終わらない。会社との合意で入社日前に終わらせる形になりやすい 先延ばしにせず、いますぐ辞退を伝える 合意が必要なので、交渉できる労働組合か弁護士が向く
入社日を過ぎて働き始めている 内定辞退の段階は終わっていて、通常の退職として扱う 試用期間中でも辞めるルールは同じ 「新卒の退職代行」の記事へ

厚生労働省の資料にある事例では、採用内定通知を受けたあとに他社への応募を辞退した人がいます。入社誓約書を出して近況報告もしていたため、労働契約が成立したと判断されました。反対に、入社の手続きも誓約もなかった人は、成立していないと判断されました。内定が正式なものか分からないと認識していた事例です。

自分がどちらに近いかは、3つの点で見分けやすいと思います。誓約書を出したか。他社の選考を断ったか。会社から入社手続きの案内が来ているか。

民法627条との関係:2週間の数え方と注意点

内定で労働契約が成立していて、期間の定めがないなら、民法627条が使えます。条文は、期間を定めなかったときは各当事者がいつでも解約を申し入れできる、という内容です。雇用は申し入れの日から2週間を経過すると終了します。

ここで大事なのは、辞退に会社の承諾はいらない、という点です。「承諾しない」と言われても、2週間という期限は動きません。

入社日が近いときは2週間が足りない

入社日まで2週間を切ってから辞退すると、条文どおりなら契約が終わる日は入社日より後になります。法律上は、入社日の後も2週間が過ぎるまで契約が続く計算です。

ここまで来ると、会社が合意して手続きを止めてくれるかどうかが現実の分かれ目になります。揉めやすいのはこの場面なので、入社日まで間がない人は、辞退を伝えるのを先延ばしにしないでください。

期間の定めがある内定の場合

内定先の契約が「1年契約」のように期間を決めたものなら、使うのは627条でなく民法628条です。この条文は、やむを得ない事由があれば直ちに契約を解除できる、と定めています。どんな場合がやむを得ない事由に当たるのか、条文に具体例はありません。事情ごとに判断されます。契約社員の内定を辞退したい人は、「契約社員の途中退職」の記事も見てください。

違約金や損害賠償を言われたら

労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定したりする契約を禁じています。「辞退したら違約金」という取り決めを会社が持っていても、それをそのまま払う義務があるとは限りません。実際に請求が届いたときは、自分だけで返さず、弁護士に確認してください。損害賠償の考え方は「退職代行で損害賠償を請求されるか」にまとめています。

辞退を強要されたとき、引き止められたとき

逆のパターンもあります。会社の側から「辞退したほうが本人のため」などと言って、内定辞退を迫ってくる場合です。

東京都の冊子は、厚生労働省の見解を紹介しています。本人の意思に反した内定辞退の強要は、本来は採用内定取消しとして扱うべき事案の可能性がある、というものです。意に反して辞退を強要されたときは、すぐ応じず労働相談の窓口や学校のキャリアセンターに相談する、とも書かれています。

この記事は、自分から辞退したい人に向けて書いています。辞退したくないのに迫られている場合に頼るのは、代行でなく相談窓口です。

自分で伝えるか、代行に頼むか

内定辞退は、それほど複雑な手続きではありません。辞退を伝えるのは、メール1通でも成り立ちます。

退職代行に相談している様子

伝えるときに入れておきたいのは、次の4つです。氏名と内定の件。辞退したいという意思。お詫びとお礼。貸与品や提出書類の扱いです。理由は細かく書かなくて構いません。

それでも代行を考える人には、だいたい次のような事情があります。

  • 電話に出るのが怖くて、何日も連絡できていない
  • 会社から何度も電話が来て、気持ちが追い詰められている
  • 「辞退は認めない」「損害賠償を請求する」と言われた
  • 入社日が近く、合意を取る必要がある
方法 向いている場面 できること
自分でメール・電話 会社が穏やかで、時間にも余裕がある 辞退の意思をそのまま伝える
民間企業の代行 辞退の連絡だけ代わりにしてほしい 辞退の意思を伝える。会社と条件を交渉することはできない
労働組合の代行 入社日が近い、会社が渋っている 団体交渉として、辞退の日付などを会社と話し合える
弁護士の代行 違約金や損害賠償を言われている 法律上の請求や交渉まで任せられる

運営の種類ごとの違いは「労働組合の退職代行とは」や「弁護士の退職代行とは」に詳しく書いています。

内定辞退に対応している代行サービス

退職代行の多くは「退職」を前提にしていて、内定辞退を受けるかどうかは公式サイトを見ないと分かりません。当サイトで扱う各社の公式トップページを確かめたところ、内定辞退の区分が料金表に書かれていたのは次の2つでした。

サービス 運営 料金(税込) 公式サイトでの扱い
男の退職代行 労働組合 21,800円+組合費1,000円 正社員・契約社員・派遣社員・内定辞退などの区分に記載。退職できなければ全額返金保証
わたしNEXT 労働組合 21,800円+組合費1,000円 正社員・契約・派遣・内定辞退・休職代行などの区分に記載。退職できなければ全額返金

料金は2026年9月時点の、当サイトの各サービス記事の枠にある数字です。公式の料金表も同じ区分で、同じ金額でした。

男性なら男の退職代行

労働組合が運営していて、団体交渉ができます。内定辞退でも、入社日が近くて合意が必要なときは、交渉できる運営かどうかが分かれ目になります。

女性ならわたしNEXT

男の退職代行と同じ体系の女性向けサービスです。料金の区分も同じです。

ほかのサービスを使いたいとき

当サイトで扱う他のサービスは、公式トップページに内定辞退の記載を見つけられませんでした。対応していないという意味ではありません。申し込む前に、公式サイトの相談窓口に「内定辞退でも頼めるか」と「料金が退職の場合と同じか」を聞いておくと安心です。

違約金などを請求されそうで法律の専門家に任せたいなら、弁護士運営の弁護士法人ガイア法律事務所も候補になります。内定辞退の扱いと料金は、問い合わせで確かめてください。

申し込む前に手元に置いておくもの

内定辞退でも、準備するものは退職の場合と大きくは変わりません。

  • 内定通知書や労働条件通知書(入社日と契約の期間を確認)
  • 提出した誓約書の控えと、会社から届いたメールや書類
  • 入社日の日付と、いまの日付から数えた残りの日数
  • 貸与されたものがあればそのリスト
  • すでに送った書類(身元保証書、マイナンバー関連、卒業見込み証明書など)の返却を頼むかどうか

提出した個人情報の書類をどうしてほしいかは、依頼の時点で決めておくと、やり取りが減ります。

もう働き始めている場合は、通常の退職として扱われます。入社直後の退職は「新卒の退職代行」にまとめました。法律的にどうなのかが気になる人は「退職代行は違法なのか」も読んでみてください。

迷ったら

まず手元の書類で、承諾や誓約書を出したかどうかと、入社日までの日数を確かめます。

入社日まで余裕があって会社が穏やかなら、自分で辞退のメールを送れば足ります。入社日が近い、連絡が怖い、辞退を認めないと言われた。そのどれかなら、交渉できる労働組合か弁護士の代行が現実的です。個人的には、辞退を言い出せないまま入社日を迎えてしまうのが一番もったいないと思います。

他の退職代行も含めて比べたい場合は「退職代行おすすめ比較ランキング」を見てみてください。

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